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ネスレ、バド、スタバの悩みとは – 脱マスブランドの潮流

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「誰もが知るマスブランドが敬遠される流れが世界的に強まっている」

日経ビジネス9/25号に掲載されたコラム「ネスレ、バド、スタバの悩みとは」より、脱マスブランドについて考察する。

記事サマリ

「脱マスブランド」は様々な業種で進んでいる。誰もが知るマスブランドは安心感がある一方で、最近は「面白みがない」「画一的」といった理由で敬遠されがちである。

では企業はどうすべきなのか?ケンタッキーフライドチキンなどを運営する米ヤム・ブランズのグレッグ・クリードCEOはこう語る。

「秘訣は100億ドルのブランドを持ちながら、それを1000万ドルのブランドのように感じてもらうことだ」

それを体現している日本の企業、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、約200もの店名で約860の外食店を運営している。24時間営業で有名な海鮮居酒屋「磯丸水産」などが成功例だ。

ネスカフェブランドを持つネスレは業績が伸び悩む中、サードウェーブコーヒーの代表格「ブルーボトルコーヒー」を買収した。バドワイザーを擁するベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブは地ビール企業を買い漁っているところだ。

各マスブランドはローカルブランドの買収や展開に躍起になっているが、全てがうまくいくとは限らない。スターバックスは紅茶専門店ティバーナを買収したが、今夏全店閉鎖の方針を発表した。

大量生産よりも手作り感
グローバルよりもローカル

この流れにどう立ち向かうべきか、マスブランドを保有する大手企業は受難の時代を迎えている。

考察

ローカルブランドでの成功例は近年顕著に増えてきている。クラフトビールブームに乗る「ヤッホーブルーイング」、日本酒でいうと山口県の山奥のブランド「獺祭」も一躍人気となった。衣料品においては、日本の優れた生産工場のみを厳選して製品を提供する「ファクトリエ」、自分のためだけに手編みで商品を作り上げてくれる「気仙沼ニッティング」も注目を集めている。

消費者はどこでも買える製品ではなく、そこでしか買えない商品であったり、普段とは違った新鮮味を持つ商品を追い求めている。モノや情報が溢れた世の中だからこそこのような傾向になってきているのは、至極当然のことだ。

記事で触れているネスレについて、日本市場においてはマスブランドを持ちつつも革新的なアイデアで成長を続けている。ネスカフェアンバサダーは世界初のビジネスモデルで、オフィス内でのコーヒー消費という新しい市場を開拓した。最近では駅のプラットホームに設置したネスカフェスタンドが話題となっている。ネスレのキットカットはお菓子のマスブランドであるが、様々な味の限定商品や高級路線の商品展開で消費者を飽きさせない。

つまり、マスブランド=敬遠されるというものではなく、マスブランドならではのやり方で消費者に受け入れられることはできるのだ。マスブランドの苦境を脱するアイデアに困ったら、日本ネスレを観察してもると良いかもしれない。

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