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A/B Test

日本初!A/Bテストガイド本から学ぶ最適化の5ステップ

日本初!A/Bテストガイド本から学ぶ最適化の5ステップ

「ボタンの色や文言、画像をを変えるだけで売上アップ!」というような事例を見て、A/Bテストに興味を持ったり実際にチャレンジしている方も多いのではないでしょうか。

ただ、やってみたものの思ったほど成果が出ていないという方も中にはいらっしゃるでしょう。

今回は書籍「部長、その勘はズレてます! 「A/Bテスト」最強のウェブマーケティングツールで会社の意思決定が変わる」の中から「A/Bテスト最適化の5ステップ」をご紹介したいと思います。

ちなみに原題は「A/B TESTING The Most Powerful Way To Turn Clicks Into Customers」で、A/Bテストツールを提供しているOptimizely社の共同創業者である、 Dan Siroker と Pete Koomen による著書です。

概要

日本初! A/Bテストのガイド本!
採用すべきはA案かB案か? ウェブ上で競わせれば、答えはデータが教えてくれる!
デザインや言葉を変えた2つのサイトをつくり、顧客をランダムに割り振って、実際に反応がよかった方を採用する。このシンプルで強力な方法が、顧客獲得や売上アップに劇的な効果をもたらし、データが主導する新しい企業文化を生みだす。アマゾンやディズニーがこぞって取り入れる革新的手法を、第一人者であるグーグルの元プロダクトマネジャーが明かす。

Amazon内容紹介より

目次

第1章 A/Bテストはいかにしてホワイトハウスを二度の勝利に導いたか――5700万ドルのボタン

第I部 20万回のテストから得られた教訓
第2章 なにをテストすべきか――最適化の5つのステップ
第3章 グローバルな最大値を探す――改良と探求
第4章 少ないほど効果あり――引き算によって価値が加わるとき
第5章 言葉が肝心――たった数語で大きな違いが生じる
第6章 すばやく失敗し、すばやく学べ――AがBに勝るという事実を積極的に受け入れる

第II部 A/Bテスト実践ガイド
第7章 あなたの組織にふさわしいソリューションを選ぶ――開発する? 購入する? 委託する?
第8章 HiPPO(カバ)症候群の治療法――関係者の賛同を得て、価値を証明する
第9章 A/Bテストのドリームチーム――全員を関係者にする
第10章 繰り返す、繰り返す、繰り返す――一つの大きな疑問ではなく、いくつもの小さな疑問を投げかける

第III部 進化するA/Bテスト
第11章 A/Bテストがつまずくとき――起こりうるミスや落とし穴を避ける
第12章 ウェブページ以外のA/Bテスト――どうやってメールや価格設定をテストするか
第13章 個人化する、個人化する、個人化する――「1対多」から「1対1」のウェブサイトへ

おわりに
謝辞
訳者あとがき
付録1 A/Bテスト 60のヒント
付録2 A/Bテストの背後にある評価基準と統計学

A/Bテスト最適化の5つのステップ

A/Bテストをただやみくもに実施したところで、大きな成果出したり効果を計測することはできません。本書ではA/Bテストを成功へ導くために、次の5ステップを踏むことを提案しています。

ステップ1 「成功とはなにか」を明確にする

A/Bテストを首尾よく開始するには、まず、スコアの計測法を決めなければならない。次の質問に答えよう。
「あなたのウェブサイトはなんのためにあるのだろう?あなたのウェブサイトで、たった1箇所だけ改良できるとしたら、それはどこになるだろう?」

A/Bテストを何のために実施するのか?
「そんなの当然分かっているよ!分かっているから実施するんでしょ」
そういった声が聞こえてくるかもしれません。

例えばEコマースサイトであれば売上を増やすためでしょう。
しかしそれが「顧客一人当たりの売上」なのか「総売上」なのかで改善ポイントが変わってきます。
チームで「何を成功とするか」を具体的に決めて意識統一しておく必要があります。

そしてもう一つ考えなければならないのが「設定した成功の定義は正しいのか?」ということです。
本書では「虚飾の評価基準」と名付けられていますが、的外れな指標を追ってしまうほど無意味なことはありません。

ではどういった評価基準が「虚飾」なのか、「Lean Analytics」(日本語版ナシ)では「Vanity Metrics」として8つの指標が挙げられれいます。

  • ヒット数
  • PV数
  • 訪問者数
  • ユニークビジター数
  • フォロワー数/フレンド数/like数
  • 滞在時間
  • 集めたメールアドレス数
  • ダウンロード数

なぜこの8つの指標を追ってはいけないのか、ご興味がある方はぜひ「Lean Analytics」をご参照ください。

ステップ2 ボトルネックを突きとめる

最大のボトルネックがどこにあるかを突き止めよう。
ボトルネックとは、ユーザーがページから離脱するところ、すなわち、
あなたが起こしてほしいと切望している一連の行動をとる前に、
もっとも多くの訪問者がページから去っていくところだ。

ウェブサイトに大量のアクセスがあったとしても、メールアドレスの入力画面や決済画面で離脱してしまえば思ったような効果は得られません。

一連のプロセスの中で「どこで離脱しているのか」をGoogle Analytics等のアクセス解析ツールで分析することが必要です。

Dan Siroker がオバマ陣営の選挙対策チームに加わった際には、ウェブサイトへの訪問者は多かったものの、そこからメールサインナップ率が低いことを突き止め、サインナップページを最適化し、追加で5,700万ドルもの寄付金の調達に成功したそうです。

ステップ3 仮説を立てる

ユーザーの意向を理解し、仮説を立て、その仮説をテストしよう。

ハイチ大地震の寄付金を集めるページの改善を、著者が担当した時のことが紹介されていました。

当初寄付ページは白い背景と長いフォームのみで構成されていたため、「入力フォームだけで構成されたページは抽象的すぎるのではないか」という仮説が立てられました。そして、トップに被災者の画像が加えられたのです。

改善の結果どうなったか、なんと寄付金額は減ってしまいました。

そこで「画像を加えたために入力フォームがページの下方にずれ、スクロールしなければ見えなくなってしまったからではないか」と第二の仮説を立てました。
そしてレイアウトを2カラムに変えて入力フォームの横に画像を置いたのです。

その結果、追加で100万ドル以上の寄付が集まりました。

もし仮説を立てずに行き当たりばったりのA/Bテストを実施していたら、最初の失敗の時点で改善するのをやめていたかもしれません。

仮説を立てることによって、たとえテストが思うような効果が出なかったとしても、そこから知見を得て、次へ活かすことが可能になるのです。

ステップ4 優先順位をつける

直観を利用し、あなたの実験にもっとも大きなインパクトを与えると思われるデザインの優先順位をつけよう

ヒト・モノ・カネが限られている中、あれもこれもやるのではなく効果が高いと見込まれるものに注力して実施していくことが重要です。

ステップ5 テストを実施する

ステップ4までできればあとはテストを実施するのみ。
そして一度で終わることなく繰り返し改善して実施してくことが必要でしょう。

第Ⅱ部では「A/Bテスト実践ガイド」として、実際に企業内でどのようにテストを進めていくべきかが解説されています。

付録では60にも及ぶA/BテストのTipsや、統計学を用いて効果を分析する方法が紹介されており、こちらも必見。

これからA/Bテストを始めてみようと思っている方、またすでに実施している方にとっても心強い1冊。ご興味のある方はぜひご一読ください。

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